直線上に配置

円谷英二的日本特撮映画史



妖星ゴラス
1962年(昭37)3月21日公開/東宝/88分/
総天然色/東宝スコープ
 
製作 田中友幸 脚本 木村武  監督 本多猪四郎
撮影 小泉一 音楽 石井歓  美術 北猛夫
安倍輝明
 特技監督 円谷英二  撮影 有川貞昌
富岡素敬
美術 渡辺明
合成  向山宏  照明 岸田九一郎 光学撮影 幸隆夫
真野田幸男
 製作担当者 成田貫  操演  中代文雄  造形 利光貞三
出演-池部良・白川由美・久保明・水野久美・上原謙・佐原健二・平田昭彦・田崎潤・太刀川寛・志村喬・河津清三郎・西村晃・小沢栄太郎・堺左千夫

前年10月公開の「世界大戦争」から約半年後の公開。

「モスラ」を公開し、変身人間シリーズの最終作「ガス人間第一号」を終え、「世界大戦争」を公開。
東宝特撮陣は新たに天体衝突ものを題材に選んだ。

ただ南極に人類総出で基地を作って、ジェット噴射で地球自体を動かすという、荒唐無稽な設定には失笑が漏れる。

田崎潤の宇宙船が妖星ゴラスに近づく宇宙特撮シーンのミニチュアを含めてのちゃちさが目立つ。
反して、ゴラスの影響による津波などの天体異変の特撮シーンは素晴らしい出来栄えだ。

また南極基地の建築シーンのミニチュア造形の精細さには目を瞠る。
さらにセット撮影の窓外部分がミニチュアの車が走っている、新しい試みをしている。

突然現れたアザラシ怪獣マグマの、ヌイグルミ感が残念。攻撃するジェットビートルは「ウルトラマン」の原型のようだ。


以下Wikiより転載

-------------------------------------------------------------------------------------------------------

円谷英二による東宝特撮映画50本目の集大成を目指して、構想3年、製作費3億8000万円、製作延日数300日、特撮パートが全体の3分の1を占める超大作として製作された。

監督の本多猪四郎は撮影に入る前、助監督の梶田興治とともに1か月近く東京大学理学部天文学科へ通い、畑中武夫率いる畑中教室の堀源一郎に、「地球移動」という荒唐無稽な設定の科学的考証を依頼した。
大きいとはいえ有限の質量を持つ物体であることに変わりはなく、非常に大きな力が必要ではあるが、それが必要に見合った十分な力であればニュートンの運動方程式に従って軌道は変わるため、地球の質量の概算値を元に、必要な力・運動量・エネルギーは算出できる。堀は完全に実行可能と仮定してそれらを算出したが、劇中の「月がゴラスに吸い込まれる」という描写について「月が吸い込まれた時点で地球も吸い込まれているはず」として、映画的なフィクションであることを理解したうえで「興行でこの話題が出る際には必ずこの部分は“嘘”である、との注釈を入れて欲しい」と条件を付けた。

南極を砕氷船が進むシーンでの氷原は、当時最新の素材だった発泡スチロールで作られている。
また、ラストの水没した東京のシーンは、ビル群のセットを荒川に持ち込んで撮影されている。
ビルなどの構造物のほとんどが木製で水に浮きやすかったため、撮影中によく流された。

撮影時、足を骨折していた出演者の佐原健二は降板を覚悟して監督の本多に会ったが、彼は「ケン坊(佐原)の役は誰にも代わりはできないと思っているから」と慰留し、本番でも佐原の歩くシーンを極力減らすなど配慮して撮影を乗り切った。

妖星 ゴラスのミニチュアはアクリル製で、電飾によって発光が可能だが、彗星や土星の輪、月を吸収するシーンはすべて光学合成で描かれている。ミニチュアは1990年代まで特殊美術倉庫に保管されていた。後に『超星神グランセイザー』(2003年)に流用されている。

南極怪獣 マグマの外見はセイウチに似ているが爬虫類という設定であり、脚本では「鱗に覆われた『恐龍』」と表記されている。
頭部造形は利光貞三、胴体は八木勘寿、八木康栄による。スーツアクターは手塚勝巳、中島春雄。
目は電飾で青色に発光する。ジェットパイプの炎が燃え移るのを防ぐため、防火剤が塗られている。2尺サイズのギニョールモデルも用意され、細かい動きはこちらでこなしている。ギニョール操作者は造形スタッフの開米栄三。
特殊美術スタッフだった村瀬継蔵は、マグマの牙の素材に初めてポリ樹脂を使用し、それまで表現できなかった鋭さを実現している。特技監督の円谷は「どこでそんな象牙見つけてきたんだ?」と驚き、新素材によるものであることを説明され、大喜びしたという。

「マグマ」の名称は一般公募、登場はクランクアップ前になって東宝上層部から出された「せっかくの円谷特撮だから怪獣を出してほしい」との要求による。
監督の本多は抵抗したが、登場が決定した後はデザイン案などについて積極的に関わっている。本作から特撮現場に参加した川北紘一によると、マグマと志村喬らが絡む一連のシーンは、本多ではなく円谷が演出したという。なお、マグマの登場シーンは、海外公開版ではカットされている。
着ぐるみは後に『ウルトラQ』のトドラへ改造されているほか、鳴き声はウルトラシリーズの怪獣の鳴き声にたびたび流用されている。

ジェットパイプ基地は、円谷英二から「とにかく大きな南極のセットを組んでくれ」と言われた特撮班の美術スタッフは、500坪(約1652平方メートル)の東宝第8スタジオいっぱいに南極の大地のセットを建造し、その広さは照明スタッフから「どこに機材を置くんだよ」とぼやかれるほどだった。
円谷は、セットの端からミニチュアを少しずつ組みながら撮影を進行させ、セットがミニチュアによって埋まったところで全体のロングショットを撮影した。特撮班のチーフ助監督だった中野昭慶の話によると、南極のシーンだけで撮影に2-3週間を要したという。

また、ジェットパイプの噴射にはプロパンガスによる火炎が用いられ、風の影響を考えて屋内セットで撮影された。このため、スタジオ内はものすごい熱さだった。
プロパンガスの使用は井上泰幸の発案。高熱で対流が生じて炎がすべて中心寄りに傾いてしまい、井上は現場で感じるほどの迫力は画面で描けなかったのではないかと語っている。

JX-1 隼号・JX-2 鳳号のデザイン・造形は渡辺明、井上泰幸。木やブリキなどを素材として、1尺と3尺ほどの大きさのミニチュアが作られた。
3尺のミニチュアは尾部からプロパンガスによる炎を噴出でき、打ち上げシーンなどで用いられている。
発射台のミニチュアはハンダ接合による。これらのミニチュアは劇中小道具として、『怪獣大戦争』の鳥井哲夫の部屋や、『日本一のゴリガン男』の国防隊基地内に飾られている。
そのうちの1つは、円谷プロダクションの特撮テレビドラマ『スターウルフ』の撮影で爆破されている。

国連VTOL機(ビートル機)はゴラスの接近に伴って発動された「地球移動計画」が行われている南極に現れた、怪獣マグマの捜索・攻撃を行った。
郡司模型製作所に外注され、ブリキの叩き出し方式で製作された。
後に特撮テレビドラマ『ウルトラマン』に登場したジェットビートルはほぼ同様の形状をしているが、同じ木型を使用して製作されており、このミニチュアを流用したわけではない。なお、ジェットビートルとの差違はエンジンナセルの有無と機体上部のアンテナの形状である。

宇宙ステーション群のミニチュアは外形をパルサやブリキで、鉄骨部分はハンダづけで作られている。立方体の宇宙ステーションは、後に『怪獣大戦争』に再登場している。





TOP

弊社の配信するコンテンツ・動画等の整合性・信頼性に関しては万全を期しておりますが、
それにより生じた損害に対しては一切 の保証を負いかねます。
弊社が提供するコンテンツを無断で複製すると、著作権侵害となります。
Copyright (C) 2020, zeicompany. All rights reserved.
Free to Link
直線上に配置