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円谷英二的日本特撮映画史



キングコングの逆襲
 ★★★★
1967年(昭42)7月22日公開/東宝/104分/
総天然色/シネマスコープ
 
製作 田中友幸 脚本 馬淵薫  監督 本多猪四郎
撮影 小泉一 音楽 伊福部昭  美術 北猛夫
 特技監督 円谷英二  撮影 富岡素敬
真野田陽一
美術 井上泰幸
合成  向山宏  照明 岸田九一郎 光学撮影 徳政義行
 操演 中代文雄 監督助手   中野昭慶  撮影助手 山本武
出演-宝田明・浜美枝・天本英世・リンダ・ミラー・ローズリーズン・田島義文・堺左千夫・黒部進・北竜二
声の出演-田口計・山東昭子


前作の「南海の大決闘」がほぼ有川貞昌が特撮を監督したとすると、円谷英二監督作としては前年の「サンダ対ガイラ」以来
ほぼ一年ぶりの特撮担当作品となる。

この間、TVの「ウルトラマン」「快獣ブースカ」を監修、この年の10月からは「ウルトラセブン」が放送なので、その撮影真っ最中での
東宝特撮の本編となっている。

借り受けていた「キング・コング」の5年間の版権が契約切れとなるので、その前に製作された東宝創立35周年作品。

美術セットを見てもかなりの制作費があてられたようだ。

円谷にとっては34年前に見た1933年公開「キングコング」へのオマージュたっぷりの内容。当時上映フィルムを買い付け、1コマ1コマチェックしたという逸話も残っている。

内容は、コングが北極から突然東京に現れるなど、唐突な所はあるが総じて面白い。
当時流行っていであろうスパイ・アクション風な物語となっている。

この作品を鑑賞する時に、16mmカメラで撮影されたテレビドラマ「ウルトラセブン」を毎日見ていたので、最初の重厚な潜水艦走行シーンに、やはり本編35mmは違うなと唸ってしまった。

円谷英二は自身監修したテレビ番組で、一本も特撮を担当しなかったが、35mmなら良いが半分のフィルム幅である16mmは、俺には撮影できないという矜持を持っていたのではないだろうか。

昔、石原裕次郎が自身の石原プロダクションが映画製作の不振から大きな負債を抱え、仕方なくテレビドラマ「太陽にほえろ」に出演する事になった時、最初のセット入りで自分を撮ろうとする16mmカメラを見て、「こんな小さなカメラで、俺を撮るってのかい」と言ったそうだが、円谷英二も、16mmカメラに対して同じような思いがあったのかもしれない。
あくまで想像だが・・・。


以下Wikiより転載

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『キングコングの逆襲』(King Kong Escapes)は、1967年7月22日に公開された日本の特撮映画。
製作は東宝。配給は日本では東宝、アメリカではユニバーサル・ピクチャーズがそれぞれ担当した。
東宝の創立35周年記念作品としてランキン・バス・プロダクション(英語版)との提携により制作された。

悪の科学者ドクター・フーの陰謀に、正義の怪獣キングコングが立ち向かう。ロボット版キングコングのメカニコングに加え、1933年版『キング・コング』へのオマージュとしてゴロザウルスと大ウミヘビも登場するほか、モンド島でのキングコングとゴロザウルスの対決シーンも原典へのオマージュとなっている。

『キングコング対ゴジラ』製作時に東宝が得たキングコングの使用権は5年間有効であったため、契約終了前にもう1本製作すべく企画された。
前年に『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』として企画されたが、アメリカ側が脚本に難色を示したため、ドクター・フーやメカニコングの登場など、同時期に製作されていたテレビアニメと設定を通わせた展開に変更された。テクニカル・アドバイザーとして、テレビアニメ版を制作していたビデオクラフト・インターナショナル代表のアーサー・ランキン・Jrが参加している。

本作のキングコングは、ヒロインのスーザンに従順な性格と設定されているほか、イルカ並みに泳いでドクター・フーやメカニコングと対決するなど、テレビアニメ版と同様の正義の怪獣として描かれている。
身長は『キングコング対ゴジラ』に比べて半分ほどの20メートルと設定されており、着ぐるみの顔もより原典に近い造形となっている。また、メカニコングもアメリカ側がデザインを用意したキャラクターである。

円谷英二は原典へのオマージュとして大ウミヘビを登場させたり、髑髏島でのキングコングとティラノサウルスの戦いをモンド島においてのゴロザウルスとの戦いとしたりするなど、リメイクを行っている。原典のティラノサウルスは前足が3本指だが、本作でもそれに倣ってゴロザウルスは3本指となったため、設定もアロサウルスの一種とする徹底ぶりだった。

絶叫女優役は、アメリカ側が連れて来たリンダ・ミラーが務めた。当時のミラーはモデルなどの活動中であり、演技の経験はなかったが、雑誌『女性セブン』でのグラビアがランキン・Jrの目に止まり、起用された。

当初、マダム・ピラニア役には若林映子が予定されていたが、東宝との契約を更新せずフリーとなったことから、浜美枝が代役を務めた。

東宝特撮映画にたびたび登場する61式戦車のミニチュアだが、本作で初めてエンジン内蔵のラジコン自走型となった。それまでのミニチュアは、自走は出来ても方向転換は出来ず、直接ピアノ線で引いて向きを変えながら撮影が行われた。


キングコングの頭部造形は利光貞三、胴体は八木康栄による。
『キングコング対ゴジラ』のコング造形に対するアメリカ側の不評を受けて、今回の着ぐるみは原点に近い頭の大きなゴリラタイプに造形された。腕の内部でマジックハンドを脱着する方式が取られ、前作のような不自然さを解消。まぶたと口がラジコンで開閉する。
アップ用、アクション用の2種類の顔が同じ石膏型から作られたが、東京タワーのシーンでは、それらとは別に、歯をむき出して笑っているような表情の頭が使われている。

海のシーンに使われたコングの胴体は、『キングコング対ゴジラ』のコングのものを再使用。
この胴体は、『ウルトラQ』でも大猿ゴローに使われている。
その後メインのぬいぐるみは『行け! グリーンマン』の「ゴリラ」に流用された。
着ぐるみのほかに実物大の右手と右耳周辺、ギニョール、人形も製作された。

メカニコングは
アメリカのビデオクラフト社と日本の東映動画による日米合作アニメ作品『キングコング』に登場する「ロボットコング」が基となっている。
鳴き声は『ウルトラセブン』のカプセル怪獣ウインダムに流用されている。『チビラくん』のゲゲボボの設計図にメカニコングのものが使用されている。

『ゴジラ対メカゴジラ』以降登場するメカゴジラは特技監督の中野昭慶によると、プロデューサーの田中友幸が「ゴジラ誕生20周年」のイベントとして、「昔メカニコングってロボット怪獣があったけど、ゴジラのロボットは作れないかな」とアイディアを出したことから生まれた。

頭部造形は利光貞三、胴体は八木康栄による。
演技者は関田裕。胴体は風呂用マットなどに使われる「ハードスポンジ」で作られている。
当初、肩の丸い保護パッドは無かったが、撮影時に取り付けられた。東京タワーのシーンではこれを取り外して撮影している。
腕は長・短の2種類用意された。眼球には8mm映写機のランプを使用し、点灯が可能。
1尺サイズのギニョールモデルも作られ、東京タワーのシーンで使われた。実物大の右手も制作された。
落下したメカニコングの残骸には、テレビの基板、原子熱線砲やメーサー車のパーツなどが混じっている。

本作で合成スタッフを務めていた川北紘一のお気に入りの怪獣であり、『ゴジラvsモスラ』の原型となった。
『ゴジラVSギガモス』では米軍が開発したという設定で、『ゴジラvsメカゴジラ』の企画準備時にはゴジラの対戦相手となる怪獣として登場させることを構想していたという。
「ギガモス」の制作が見送られたのは権利関係が東宝とRKOとの間で曖昧であったためこれを明確にしようという意図もあったが、RKO側から製作した場合トラブルが生じる可能性があるとの回答が出されたためである。
川北はこれらの企画の雪辱を期し、『幻星神ジャスティライザー』および『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』でメカニコングをオマージュしたメカ巨獣ブルガリオを登場させている。
漫画『怪獣王ゴジラ』では、悪の科学者であるマッド鬼山がメカニコングを再生・改造したメカニコングIIとして登場。メカゴジラIIIとともにゴジラと戦う。

ゴロザウルスのスーツアクターは関田裕。
短い前足は、関田が肘から先だけを入れて動かしている。
コングとの対決シーンで、円谷英二がゴロザウルスに模範指導を行っているスチール写真が現存する。
アメリカ側製作者は原典のように流血する恐竜の最期を要求したが、円谷はみずからの方針でこれを許さず、「泡を吹いて絶命する」という描写を用いた。
本作品に合成スタッフとして参加していた川北紘一は、ゴロザウルスのすーつについて「着ぐるみ造形の最高峰」と評している。

大ウミヘビは、『キング・コング』に登場した大蛇へのオマージュ・キャラクター。
頭部造形は利光貞三、胴体は八木康栄による。
1973年に「東宝チャンピオンまつり」で公開されたリバイバル版では、登場シーンがカットされている。





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