直線上に配置

円谷英二的日本特撮映画史



キングコング対ゴジラ★★
1962年(昭37)8月11日公開/東宝/97分/
総天然色/東宝スコープ
 
製作 田中友幸 脚本 関沢新一  監督 本多猪四郎
撮影 小泉一 音楽 伊福部昭  美術 北猛夫
安倍輝明
 特技監督 円谷英二  撮影 有川貞昌
富岡素敬
美術 渡辺明
合成  向山宏
三瓶一信
 照明 岸田九一郎 光学撮影 真野田幸男
徳政義行
 製作担当者 成田貫  操演  中代文雄  造形 利光貞三
出演-高島忠夫・有島一郎・佐原健二・浜美枝・藤木悠・田崎潤・平田昭彦・若林映子・根岸明美・大村千吉

前年10月公開の「世界大戦争」以来、約10ヶ月ぶりの本格的な特撮映画。

キングコングの権利をRKOから8千万で借り受け、東宝創立30周年記念映画としての公開。
観客動員数は歴代の怪獣映画としては1位の1200万人、興行収入は3億5千万を売り上げた。

キャストは新しく高島忠夫や有島一郎、浜美枝や藤木悠が参加。コメディタッチの明朗映画となっている。

「ゴジラの逆襲」以来7年ぶりのゴジラの登場。そして初の総天然色のカラー・ゴジラとなる。
尾ひれの白っぽい造形と、青白く吐く放射能が目を瞠る。また尻尾の動きの操演が素晴らしい。

浜美枝の乗る青森行き特急と、ゆっくりと進むゴジラの動き。キングコングはゴジラと対象的に、両手を上げて足早に進む。その対照が見事だ。

またキングコングとゴジラの対決シーン。
怪獣同士の対決は「ゴジラの逆襲」のアンギラス以来。この時はコマ落としで撮影されていたが、今回はほぼノーマル撮影が多い。熱海城の崩落シーンはさすがに4倍スローだと思うが、その他での対決シーンは、スローやコマ落としは使われていないと思う。
これはぬいぐるみ技術の進化で、軽量化が図られた事で実現できたのだろう。

当時の観客はゴジラの放射能を初見して驚くキングコングや、耐電化した自らの体を窺う姿など、表情豊かなキングコングに大笑いしたことだろう。円谷英二がただの技術的な特撮マンではなく、「映画監督」なのだということを再認識できる。

ラストは少し中途半端。
突然地震が起こる理由が不明だが、両者の対決の勝敗を誤魔化すためには必要だったのかもしれない。


以下Wikiより転載

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

1955年作の『ゴジラの逆襲』以来7年ぶり、ゴジラ映画としては初めてのカラー製作、さらにシネマスコープの類にあたる「TOHO SCOPE」(東宝スコープ)で上映された作品である。
また、関沢新一のゴジラ映画デビュー作でもある。本作で初めて、ゴジラの体色や放射能火炎の青白い色が披露された。

タイトルクレジットのバックの密林、キングコングがゴジラの口に木を突っ込むシーンや女性をさらって国会議事堂によじ登るシーンなど、本家『キングコング』へのオマージュ的シーンが多い。公開時の宣伝スチールでは、本家のキングコングの写真がゴジラと合成されて多数使われていた。

本作の基となったのは、1933年版『キング・コング』以降は不遇をかこっていた特撮マンのウィリス・オブライエンによって企画された、『キングコング対プロメテウス』というタイトルの映画企画であり、これは「フランケンシュタイン博士が秘密裏に創造していた巨大クリーチャーとキングコングが戦う」というものだった。RKOに数点のスケッチを含むこの映画の企画書を提出した後、オブライエン本人も知らぬうちにいつの間にやら本作へ至ったようで、後年に本作の存在を知った彼は、ひどく落胆したという。

本編の助監督を務めた梶田興治によると、キングコングの権利者であるRKOは東宝との契約に当たり、キングコングの名称使用料5年間分として8000万円を要求した。東宝は当時の映画3本分の制作費に匹敵するこの莫大な支払いの見返りを充分に受け、1000万人を超える封切動員数を稼いだ。

特撮キャメラマンの有川貞昌は制作に当たり、「とにかく久しぶりにゴジラ映画を作れるんだと、スタッフ一同とても嬉しい気持ちだった」と語っており、円谷英二以下特撮スタッフはゴジラよりも新怪獣のキングコングをどのように描くか、ひたすら尽力したという。本作ではゴジラとキングコングの対決は曖昧な形で終わっているが、これは自国のキャラクターを敗者にすることを避けるために日米の関係者が議論を重ねた末の結果と言われている。

主要襲撃地点は那須、東京、富士山麓、熱海。ミニチュアで作られた熱海城は、ゴジラとキングコングに破壊される。ファロ島では、本物と模型を使い分けた大ダコも登場する。

ゴジラを誘導するために河川にガソリンを流して火を放つシーンの撮影中、監督の本多猪四郎は誤って斜面を30メートルも滑落して負傷してしまったため、このシーンと佐原健二がジープを走らせるカットは助監督の梶田興治が演出した。その後、本多は後半の撮影に包帯姿で参加している。

進撃中のゴジラが高崎観音と対峙するシーンが撮影されているが、本編では使用されていない。予告編では、ゴジラが画面の手前に向かって咆哮する、
本編にない映像が使われている。

キングコングの上に乗る自衛隊員のシルエットのアニメーションはピー・プロダクションが担当した。クレジットに記載はなく、円谷個人の発注であったとされる。

常連タイアップ企業のバヤリースに加え、本作では東京製綱がタイアップしている。藤田が「試作品」として披露し、キングコングの輸送にも使われる「鋼よりも強く、絹糸よりしなやか」な新時代の鋼線は、東京製綱のワイヤーロープの宣伝でもある。

その後、本作のヒットにあやかり『続・キングコング対ゴジラ』という続編企画が立てられたが、関沢新一によるプロットが作成されたのみで未制作に終わっている。

頭部造形は利光貞三、胴体は八木勘寿、八木康栄による。
体毛は希少で高価なヤクの毛を取り寄せ、開米栄三が茶色に手染めして植え込んでいる。アップ用とアクション用の2種類の頭部が作られ、眼窩には、演技者の目をそのまま使うものと、透明素材で覆ったものとある。

2尺ほどのミニチュア人形、棒操り形式のアップ用の上半身ミニチュアも作られた。アップ用のコングの上半身はマペットタイプで用意され、細かい表情はこれで表現されたほか、小型の人形も作られ、人形アニメでの撮影も1カットほど試みられている。

長い腕を表現するため、マジックハンド形式で腕を継ぎ足す方法が採用されたが、その影響で腕関節が2か所あるような不自然さが残っている。

RKOは、コングのキャラクターについて、「顔は原典と違うものにして欲しい」など細かい注文をつけた。
造型技師の利光貞三によるコングの顔立ちは、この要求に沿って原典のコングと大きくかけ離れたニホンザル風にアレンジされている
(数度に渡る作り直しなど、かなりの試行錯誤があったという)。また、ぬいぐるみ(着ぐるみ)の容姿も、「ゴリラ型モンスター」というよりは猩猩を思わせる和風のテイストとなっており、本国のコングファンの不興を招いている。

胴体はのちに尻尾を着け、頭を挿げ替えて『ウルトラQ』の「大猿ゴロー」に改造され、さらに『キングコングの逆襲』でプール撮影用のコングの胴体に使用されている。

キングコングの演技者は広瀬正一。
中島春雄によると、広瀬はキングコングを演じるに際して撮入前に円谷から「猿らしい動きを」と、かなり厳しい演技指導を受けている。
コングは劇中で横になっている場面が多いが、寝た姿勢でいる間に暑さでぬいぐるみの内側に汗が溜まり、広瀬は中で半身を汗に浸からせた状態になっていたそうである。

中島も広瀬も武道の心得があり、コングがゴジラを一本背負いするシーンやコングがトンボを切って一回転するシーンなど、立ち回りはすべて両人が打ち合わせて行い、円谷は黙って任せてくれたという。





TOP

弊社の配信するコンテンツ・動画等の整合性・信頼性に関しては万全を期しておりますが、
それにより生じた損害に対しては一切 の保証を負いかねます。
弊社が提供するコンテンツを無断で複製すると、著作権侵害となります。
Copyright (C) 2020, zeicompany. All rights reserved.
Free to Link
直線上に配置