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円谷英二的日本特撮映画史



ゲゾラ・ガニメ・カメーバ
決戦! 南海の大怪獣
 ★★
1970年(昭45)8月1日公開/東宝/84分/
カラー/シネマスコープ
 
製作 田中友幸
田中文雄
脚本 小川英  監督 本多猪四郎
撮影 完倉泰一 音楽 伊福部昭  美術 北猛夫
 特殊技術 有川貞昌  撮影 真野田陽一 美術 井上泰幸
合成  向山宏  照明 原 文良 光学撮影 川北紘一
 造形 利光貞三  操演  中代文雄  監督助手 中野昭慶
出演-久保明・高橋厚子・土屋嘉男・佐原健二・中村哲・小林夕岐子・藤木悠・堺左千夫


円谷英二の死後、7ヶ月を経て公開された東宝怪獣映画。

監督は本多猪四郎。音楽伊福部昭。特撮は有川貞昌が担当。
スタッフは円谷への弔いも込めて作ったらしいが、薄ら寒い映画となった。やはり怪獣映画は予算がないと駄目だと痛感。
宇宙人が地球征服を目論むために、南海の土着民しか住まない孤島で侵略を始めるってのはまったく無理がある。

怪獣の造形には見るべきものがある。
大映のバイラスに似ているゲゾラは、巧みな操演で足を動かしスーツアクターの両足をできるだけ隠している。またエビラに似たガニメは、甲殻類の硬い質感が良くできているし、口元の動きや泡吹きもそれっぽい。カメーバの伸縮する首の動きも素晴らしい。

東宝はこの年の3月1日付けをもって特殊技術課を廃止、制作部門を切り離し配給会社へと変貌していく。
有川貞昌はこの後東宝を退社して国際放映へ移っていく。


以下Wikiより転載

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『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』1970年8月1日に夏休み東宝チャンピオンまつりの1本として公開された東宝製作の特撮映画作品。同時上映は「巨人の星 宿命の対決」「アタックNo.1 涙の回転レシーブ」「みにくいアヒルの子(人形アニメーション)」

特技監督の円谷英二が死去してから公開された初めての東宝特撮作品で、特撮パートは円谷の愛弟子だった有川貞昌がメガホンを取った。検討用台本の作成時点で病気療養中であった円谷は参加意欲を見せていた。円谷は、死去の4日前にも本作品の打ち合わせを行いたいとの意向を示していた。台本には特技監修の肩書きで記載されており、ポスターなどもこれに準じたものが作られている。

クランクイン直後の1970年1月25日には円谷が死去し、告別式には撮影を中断して参加したスタッフが、おやじ(円谷)への恩返しと円谷特撮技術の総決算を誓った。すべて新怪獣3頭という東宝怪獣映画史上唯一の趣向で挑んだ意欲作であり、脚本もこの路線初参入の小川英が迎えられた。プロデューサーの田中文雄によれば、「円谷英二氏に捧ぐ」と表記することも検討されていたという。

原案は1966年にアメリカとの合作用に書かれた検討用脚本の1つ『怪獣大襲撃』であり、1969年に発表された製作ラインナップにもこのタイトルで記載されている。原案となった検討用脚本では、宇宙からやってきた巨大生物群によって世界規模の天変地異が起こり、人類存亡の危機が迫る中で科学者らが怪獣の弱点を探るという大規模なものとなっていた。この企画は一度見送られたものの、急遽1970年の春休み公開に間に合わせるため、完成済みの脚本が活用されることとなった。ここから1969年時点の製作費に合わせた改稿に時間がかかり、最終的な台本となる『決戦! 南海の大怪獣』第3稿が完成したのは1970年1月となった。同月に本編、翌2月に特撮がそれぞれ撮影が開始されたが、春休みの公開が危ぶまれたことから夏に延期された。

当初、ヒロイン役には高橋紀子が予定されていたが、結婚して出演できなくなったため、高橋厚子に交代した。高橋厚子は、本作への出演直後にTBSのテレビドラマ『アテンションプリーズ』のレギュラーに抜擢されるが、教官役の佐原健二とは先に本作で共演していたことになる。

「ゲゾラ」、「ガニメ」、「カメーバ」のネーミングは、本編チーフ助監督の谷精次によるもの。劇中では、セルジオ島の島民が付けた名前という設定になっている。

怪獣の新たな方向性を目指し、生物としてのリアリティが表現され、操演技術が高く評価されている。しかし、キャラクターとしての魅力の弱さから人気は得られなかった。

監督の本多猪四郎は本作品の後に『メカゴジラの逆襲』(1975年)まで怪獣映画を担当せず、有川も本作品の翌年に東宝を退社して特殊技術課も解散し、東宝の俳優契約も改定されるなどしたため、従来の体制による東宝特撮映画としては本作品が最後となった。


ゲゾラの造形は利光貞三と八木康栄による。スーツアクターは中島春雄。甲の部分と脚の部分が分割できるようになっており、脚だけが映るシーンは上部分を被らずに演じている。触手のうち長い2本は操演で動かし、残りの触手は中島が歩くときに体を揺らしている。実物大の触手も制作され、ピアノ線による操演で効果的に使われた。
『帰ってきたウルトラマン』に登場したタッコングの身体にある吸盤は、ゲゾラの実物大の触手の型を流用している。
「ゲゾラ」のネーミングは、谷精次によると「ゲソ」から。ストレートすぎるため反対意見も挙がっていたが、監督の本多猪四郎が好意的であったためこの名前に決まった。脚本ではセルジオ島の伝承の怪物はドドラという名称であったが、完成作品ではすべてゲゾラに置き換えられている。

特殊技術の有川貞昌は、ガニメの口の部分の気持ち悪さや泡のギミックに特にこだわったとコメントしている。「ガニメ」のネーミングは、谷精次によると「ガニ(食用にならないカニ)」+「ニャロメ」から。
造形は安丸信行と八木康栄による。スーツアクターはゲゾラ同様、中島春雄。スーツアクターはしゃがんで入る構造となっており、人間の体型を感じさせないシルエットとなっている。口から泡を吹く仕掛けが組み込まれ、左右の顎と眼球がリモコンで動く。背中にはギミックのためのボンベやチューブが仕込まれていたため、相当な重量であった。全身の毛はシュロを使用した。実物大のハサミも制作された。

カメーバの着ぐるみの造形は安丸信行。全身の粘土原から石膏型が起こされ、細かい鱗の表現にこだわった造形が行われている。背中のとげは時計回りに渦を巻いており、これは同じ安丸による『怪獣総進撃』のアンギラスの背中のとげと同じ表現である。腹部にチャックがあり、演技者は下から入る仕掛けになっている。後ろ足は演技者の膝から先が入り、膝をつかずに演技できるように作られている。また、甲羅を長くすることで膝部分を隠し、中の人間の体型を隠している。
カメーバの頭が勢いよく飛び出すギミックは、自転車の空気ポンプを仕込んだもので、フロンガスによって押し出される。首にはエキスパンダーのスプリングも仕込まれており、射出後に縮む構造となっている。スーツアクターの中村は、頭が飛び出す際の「ポン」という音に毎回中で驚かされたそうである。
劇中に登場するマタマタガメは、イシガメの甲羅にとげのデコレートを乗せて出演させたもの。手足にばねの入った造形物も作られたが、本編では未使用。

セルジオ島の野外シーンは2月3日から同月27日まで八丈島でロケーションが行われた。撮影が行われた期間の八丈島は雪が降るほどの寒さで、土屋嘉男や監督の本多猪四郎と一緒にコート姿の高橋厚子を写したスナップが残っている。東宝プロデューサーの田中文雄も寒かったことを証言している。
劇中のセルジオ島民の祈祷歌は、『キングコング対ゴジラ』での、ファロ島民の祈祷歌をアレンジしたものが使われている。
テレビアニメ『ケロロ軍曹』第57話Bパート「巨大カエル対南海の大怪獣であります」は本作のパロディとなっており、「イカラ」「カニメ」「ガメーバ」という怪獣が登場する。




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