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円谷英二的日本特撮映画史



大巨獣ガッパ
★★★★

1967年(昭42)4月22日公開/松竹/84分/
総天然色/シネマスコープ
 
製作 児玉英生 脚本 山崎巌
中西隆三
 監督 野口晴康
撮影 上田宗男 音楽 大森健太郎  美術 小池一美
 特撮監督 渡辺明  撮影 柿田勇 美術 山本陽一
協力  二本特撮映画株式会社 (渡辺明、真野田幸雄) - -
出演-川地民夫・山本陽子・小高雄二・和田浩治・林小かん・藤竜也


この年、1966-67年は邦画各社が怪獣映画を制作した時代。

1966年の1月からTBSテレビで「ウルトラQ」が始まり、4月に大映「ガメラ対バルゴン」「大魔神」の二本立てが大ヒット。
7月になると東映は「海底大戦争」公開、本家東宝は「サンダ対ガイラ」を。そしてテレビでは「ウルトラマン」の放送が始まった。
さらに年末には大映が「大魔神逆襲」、東映は「怪竜大決戦」、東宝は「南海の大決闘」で年越しをして、
1967年3月に「ガメラ対ギャオス」、松竹が「宇宙大怪獣ギララ」、そして4月にこの日活初の怪獣映画「大巨獣ガッパ」が封切られた。

当時の子供達はテレビにかじりつき、映画館に足を運んでいた。
私も、今はもうない日活映画館に「大巨獣ガッパ」を見に行ったのを覚えている。


今改めて見ると、この映画、よく出来ている。
やはりそれは、東宝で長らく円谷英二と共に特撮に関わった渡辺明の功績が大きいだろう。

原案も渡辺明だが、怪獣をただの悪者とせず、親子の情愛を全面に出したのが良い。
それと日活お得意の、川地民夫と山本陽子、小高雄二の恋愛がピリッと効いている。

特撮シーンのミニチュアがまた素晴らしい。
もともと美術監督だった渡辺明が、思う存分精巧なミニチュアを造形している。
ガッパが飛び立つ際のも多分「空の大怪獣ラドン」以来の、民家の瓦が一枚一枚飛ぶ荒れるカットに唸った。
また操演も見事だ。ワンカットで二体のガッパが降り立ったり、飛び上がったりしている。

松竹の「宇宙大怪獣ギララ」とは比べ物に何ないくらい完成度が高い映画となった。
円谷英二監督も、潤沢な予算で作られたこの映画を見て、唸ったのではないだろうか。

以下Wikiより転載

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日活が当時の「怪獣ブーム」に乗って製作した唯一の怪獣映画であるが、後述のガッパの特徴や、企業・科学者の倫理のみならず、仕事に猛進して家庭をないがしろにする親など家族をテーマに据えた内容から、怪獣映画の中でも独特の存在感を持つ作品である。

日活では初の本格的特撮怪獣映画であり、ストーリーはイギリスの怪獣映画『怪獣ゴルゴ』(1961年)を下敷きにし、いくつものプロットが作成され、2本のパイロットフィルムを経て、完成作品に至った。

大巨獣ガッパは、オス・メス(夫婦 = 父・母)に加えて、子供まで存在するという極めて希有な怪獣である。夫婦間の関係は当然良好であるが、子供を思いやる感情は人間を上回るものを有する。巨大怪獣であるが故の都市破壊は行うが、それは人間に連れ去られた子供を奪い返すための必死の行動であり、さらに怪獣の親子が再会を喜び抱擁するシーンを描くという手法で親子の情愛を表現しており、怪獣映画としては珍しく叙情的な作品でもある。

歯のある太い嘴からは、青白い4000度の炎を放射する。劇中では「殺人光線に匹敵する」と呼称されているが、当時の宣材や図鑑などでは「熱波光線」とされた。
河口湖に潜伏した際、毒液を流し込んだ(直接の描写はなく、セリフでの説明のみ)が、ガッパには無効であった。この要因は光線にある、と劇中で推測されている。他の爬虫類に比べ音に敏感。
水中では目が青白く光る(陸上では黄色)。子ガッパは身体が帯電しており、金属が身体に触れると放電スパークする。
まぶたが存在するが、人間などと逆に下まぶたとなっている。

デザインは渡辺明による。同じ渡辺の手がけたウルトラマンのデザイン初稿の「ベムラー」に似ているが、そもそものデザインのヒントは迦楼羅像や烏天狗にあった。ぬいぐるみの造形は開米栄三がメインとなって行った。

当時、ニットーから、ゼンマイ仕掛けで歩行するプラモデルキットが発売されていた
(一つのパッケージにオス・メス両方の頭部パーツが入っており、好きな方のパーツを取り付けて完成させるようになっていた)。

この怪獣ガッパの生態や能力などについては、美術スタッフによって細かい設定がなされていた。
これらの諸設定は、本作DVDの特典映像で詳しく紹介されている。

飛行速度はマッハ6。水中移動速度は150ノット。破壊力は200万馬力。ガッパの背中の羽根は、鳥類の前足にあたる翼とは異なり、肋骨が進化したものである。メスのガッパの足にある真珠のような部分は、見た者の目を潰してしまう(ただし、本編中にその描写は無く、
造形物にもそのような部位は確認できない)。
地球がまだガス雲であった頃、すでにガッパは存在し、さまざまな怪獣たちと激戦を繰り広げていたという。地球の海水がしょっぱいのは、地球が誕生する際にガッパの体内にある蓄電器官の塩基元素が溶け出したためである。

メスのガッパが熱海に上陸した際にくわえている巨大な蛸は、「子ガッパが腹を空かしているに違いない」と持参したものであり、母の愛情を描写したものである。実際、子ガッパは、糸子ら人間が与えるエサ(仔牛のもも肉のようなもの)を一切口にしていない。

ゴジラやウルトラ怪獣など、他社の怪獣作品が積極的に建造物を破壊するのに対し、ガッパはあくまで行く手を阻むもののみを破壊する。これは、「子供に見せる映画として、破壊に快楽を求めさせてはいけない」という意図的な演出である。

「怪獣が主人公らの機転によって怒りを静め、空港から飛び発って南の島へ帰る」という結末は、東宝の『モスラ』に似ている。また、日本製の怪獣映画としては数少ない、人類・怪獣ともにハッピーエンドを迎える作品となっている。

本作は、社団法人「映画輸出振興協会」による輸出映画産業振興金融措置の融資を受けて製作された。

なお、米軍の扱いであるが、カーラジオから「対策本部が自衛隊と米軍に撃退協力を依頼」「まもなく攻撃が始まる予定」と言及されるに留まっている(セリフのみで映像での登場は無い)。

熱海城で戦闘機がガッパを攻撃するシーンで、スタジオ天井の照明器具が写ってしまっているカットがある。(53'42")





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