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円谷英二的日本特撮映画史



ガメラ対宇宙怪獣バイラス 
★★

1968年(昭43)3月20日公開/大映東京/72分
総天然色/大映スコープ
 
製作 永田秀雄 脚本 高橋二三  監督 湯浅憲明
撮影 喜多嶋晃 音楽 広瀬健二郎  美術 矢野友久
 特撮監督 湯浅憲明  撮影 藤井和文 美術 -
合成撮影  金子友三  照明 石坂守 - -
 デザイン 間野重雄  操演  関谷治雄  造形 八木正生
エキスプロダクション
出演-本郷功次郎・八重垣路子・渥美マリ・八代順子・藤山浩司・高塚徹・カール・クレイグ・ジュニア
声の出演-若山弦蔵/ガメラ-荒垣輝夫

前作「ガメラ対ギャオス」からちょうど1年年後の公開。

予算がかなり削られたようで「対バルゴン」「対ギャオス」と比べるのも悲しくなる。

ガメラが暴れて破壊するシーンはすべて以前の作品からの焼き回し。
ラストの海岸での戦いのみ新撮という寂しさ。

宇宙船はセット一杯で済むように、逆算してデザインされたのだろう。
ここの所は本編と特撮を兼ねている湯浅監督ならではの工夫が見られる。

子供たちの味方になったガメラは従順で面白さに欠ける

ガメラのスーツアクターは「ウルトラマン」などでよく見かけた荒垣輝雄。

以下Wikiより転載

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荒垣 輝雄は、日本の元俳優、スーツアクター。
突発性拡張型心筋症を患い20年以上表舞台から離れていたが、2014年の4月に77歳で永眠した。

円谷特技プロのテレビ映画『ウルトラマン』で、怪獣役のスーツアクターを務めた。
大映の「ガメラシリーズ」では、主役の「ガメラ」役で三度出演している。

『ウルトラマン』の怪獣「ドドンゴ」は、清野幸弘と二人でぬいぐるみに入ったものだが、激しいアクションで酸欠状態になって倒れかけた。同じく二人で入った「ペスター」では、特撮プールに入って火薬の弾着を浴びる、初めての過酷な撮影だった。「目のあたりに弾着が当たり、水が中に流れ込んできて、二人とも死ぬかと思った。無事で不思議なほど怖かった」と語っている。

大映映画で「ガメラ」を演じているが、このガメラのぬいぐるみは鉄骨補強され非常に重いものだった。
湯浅憲明監督は「入るだけで大変な重労働でしたが、それにもかかわらず荒垣さんは実に軽快に動いてくれました」と語っている。

出演作品

大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(1966年)
大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス(1967年)
ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年)
怪獣総進撃(1968年):ラドン
緯度0大作戦(1969年):大ネズミ

「ウルトラマン」
第1話「ウルトラ作戦第一号」(1966年):宇宙怪獣ベムラー
第6話「沿岸警備命令」(1966年):海獣ゲスラ
第7話「バラージの青い石」(1966年):磁力怪獣アントラー
第8話「怪獣無法地帯」(1966年):どくろ怪獣レッドキング
第11話「宇宙から来た暴れん坊」(1966年):脳波怪獣ギャンゴ
第12話「ミイラの叫び」(1966年):ミイラ怪獣ドドンゴ
第13話「オイルSOS」(1966年):油獣ペスター
第14話「真珠貝防衛指令」(1966年):汐吹き怪獣ガマクジラ
第15話「恐怖の宇宙線」(1966年):二次元怪獣ガヴァドン
第17話「無限へのパスポート」(1966年):四次元怪獣ブルトン
第20話「恐怖のルート87」(1966年):高原竜ヒドラ
第23話「故郷は地球」(1966年):棲星怪獣ジャミラ
第24話「海底科学基地」(1966年):深海怪獣グビラ
第37話「小さな英雄」(1967年):怪獣酋長ジェロニモン
第39話「さらばウルトラマン」(1967年):宇宙恐竜ゼットン
快獣ブースカ(1967年):チャメゴン
「ウルトラセブン」
第8話「狙われた街」(1967年):幻覚宇宙人メトロン星人
第11話「魔の山へ飛べ」(1967年):宇宙野人ワイルド星人
第13話「V3から来た男」(1967年):宇宙鳥人アイロス星人
第16話「闇に光る目」(1968年):捜索隊の一員
第20話「地震源Xを倒せ」(1968年):暗黒星人シャプレー星人
第22話「人間牧場」(1968年):宇宙怪人ブラコ星人

「渥美清の泣いてたまるか」
第66話「おゝ怪獣日本一」(1968年):怪獣スーツアクター

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『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』は、大映が製作・配給し、1968年(昭和43年)3月20日に封切り公開された日本の特撮映画作品。
ガメラシリーズの第4作目。大映東京撮影所作品。同時上映は『妖怪百物語』。72分、カラー、大映スコープ。

「ガメラ映画」はアメリカでは、1作目の『大怪獣ガメラ』(1965年)が劇場公開された以外、2作目、3作目は子供向け番組枠でテレビ放映された。4作目である本作より、新作「ガメラ映画」はこのアメリカでのテレビ放映契約を織り込んだ制作体制となった。

ストーリーも、劇場よりも厳しいアメリカでのテレビ放送規制条件を満たすため、これに沿った、「ガメラが悪役新怪獣の侵略と闘う」という勧善懲悪テーマが強調された内容となっている。
こういったこともあり、前作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』よりさらに進んで、本作以降「ガメラシリーズ」は子供を主役に置いた、完全に子供向けの作風となった。
脚本の高橋二三は、「『ガメラ対ギャオス』までは子供向けではなかった。『ガメラ対ギャオス』で子供を出してくれという要請はあったが、大人も楽しめる映画だった。ところが『ガメラ対バイラス』でひとつの方向性に偏ってしまった。ある意味では『お子様ランチ』になったことで客層を限定してしまったと言っていいでしょう」とコメントしている。

一方で監督の湯浅憲明は、「『バルゴン』で大人のドラマをやってみたが、劇場の子供達は走り回って全く見ていない。『ギャオス』では子供がガメラに乗る場面は大歓声だった。子供が冒険し、怪獣が出ずっぱりの『バイラス』が、シリーズ当初から本来やりたかった形だ」と述懐しており、プロデューサーの永田秀雅も同じコメントをしている。湯浅は、ラストで子供たちが大空を飛ぶガメラに手を振るシーンに、童話的なイメージを込めたという。

茅ヶ崎での戦闘シーンでバックにそびえる白いビルは、当時上原謙・加山雄三親子が経営していたパシフィックパークホテルである。 湯浅によると、劇中に登場する小型潜水艇は、葉山のヨットハーバーにあったものを、撮影のために借りて使用したものである。Uボートを製作したドイツのメーカーの製品だったそうだが、ほとんど使い物にならず、水中で転覆すると復帰できないようなものだった。危険なのでスタッフが正夫役を吹き替えで演じている。

大映本社の深刻な営業不振から、本作の制作予算は特撮予算を含まない一般映画クラス(前作の3分の1)となり、湯浅らスタッフはいかに経費を抑えるかに腐心した。ことに撮影フィルムは通常5万フィートは必要なところ、3万フィートしか支給されないという極めて制約の多いものだった。バイラス宇宙船の「どこの部屋もみんな同じ造り」、「葉山海岸での舞台限定」など、こうした低予算が反映した設定だという。本作からプロデューサーに若い仲野和正が付き、湯浅のアイディアをすべて認めてくれ、高橋二三に「すべての制約をのんでください」と依頼。高橋もこれを承諾のうえで脚本化してくれたという。

海外版では、アメリカでの販売条件である上映時間(1時間半、9,500フィート)を満たすため、流用映像の部分を長めにして90分に伸ばしてあるが、これは湯浅に無断で行われたことだった。「日本コカ・コーラ」がタイアップしており、画面にコカコーラマークが頻繁に登場する。

湯浅は前作に続いて本編・特撮の両演出を1人でこなす奮闘ぶりを見せ、スタッフ一同、「これがガメラシリーズ最後の作品」との想いで本作をわずか25日で撮り終えた。湯浅監督は「こんな条件で撮れる監督は俺しかいないだろう」と、「半分は意地、半分はゲーム感覚でやった」と語っていて、クランク・アップ時は「やっと終わった」と感慨無量の思いだったという。しかし、公開されるや本作は子供たちに大評判となり、大ヒット。大映本社は翌年、次作『ガメラ対大悪獣ギロン』の制作を決定することとなった。


ガメラのヌイグルミは前作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』と同じもの。この作品から、足だけを引っ込めてジェット飛行するミニチュアが使われ、以後の定番となる人気を集めた。湯浅監督によると、この下半身ジェット飛行も予算対策のための苦肉の策だった。ジェット噴射用の火薬は1本3,000円(当時)した。2本だけの使用なら1カットで6,000円浮く計算である。

ガメラが小型潜水艦と並泳するシーンは、演技者の入っていないぬいぐるみを吊り下げて操演した。予算削減のため、ガメラがバイラス星人に操られて暴れまわるシーンは『大怪獣ガメラ』と『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』のバンク映像が使われている。

敵役バイラスは、本編タイトルでは「宇宙怪獣」とされ、本作のポスターや劇場用予告編では「分裂怪獣」とテロップ表記されている。のちに『宇宙怪獣ガメラ』(1980年)が公開された際に、ガメラを「宇宙怪獣」とうたってしまったため、バイラスは強制的に「水中怪獣」と名称変更されてしまった。公式ホームページでもこの「水中怪獣」に変更表記されている。正確には「宇宙怪獣」であり、「バイラス星人」という宇宙人である。アメリカではバイラスは「イカのような怪物」という名になっている。

このバイラスにガメラが腹を突き抜かれ串刺しにされる描写は湯浅によると、前作までで一通り怪獣同士の戦いのアイデアが出尽くしたので、「今度は刺すか」ということで採り入れたもの。「安い予算で撮らせやがってというスタッフの腹いせの気持ちも多分にあったかもしれない」と述懐している。この場面は劇場では子供たちから悲鳴が上がったそうである。『ガメラ対大魔獣ジャイガー』や『宇宙怪獣ガメラ』にも映像を流用し登場する。

バイラスのデザインは間野重雄。造型は八木正夫とエキスプロ。
頭が槍状に一体化した操演用のミニチュアと、頭の触手が分離した人間が入るぬいぐるみタイプのものとが造られた。
造形者の八木正夫によると、湯浅監督から「柔軟性が欲しい」と注文があり、造形については主素材選びから苦労したという。結局、ウレタンを主材質に選んで、イカのようなキャラクターを実現させた。八木はシリーズで「一番印象に残った怪獣」としてバイラスを挙げており、「人は苦労して初めて得るものがあるんじゃないか、それを教えてくれたのがバイラスだった」と振り返っている。
ぬいぐるみの触手は、6本中2本に演技者の足が入り、残りの4本は操演によって動かされている。

バイラス円盤の中にいる、黒い半袖服を着た医者のような姿の5人の男たち。このバイラス人たちは、シルエットに目だけが点灯する不気味な姿で登場するが、このシーンは、俳優のまぶたにアイマスクと豆球を貼り付け、台詞に合わせて点滅させて撮影した。このため夏木章ら演じた俳優は、豆球の熱でまぶたをやけどしたそうである。

その正体は、分裂したバイラスが人間などの他の知的生命体に「ユニフォームのように」寄生し、行動を支配しているもの。腕がちぎれてもすぐに元に戻り、球体構造間の移動は、チューブ通路を滑空して行う。このシーンは通路セットを縦向きに作り、俳優がまっすぐ飛び降りたものを高速度で撮影し、逆回転させたもの。ズボンの裾がめくれないようテープでとめたりと気を使ったそうである。

正夫らの「怪獣(つまり彼らのボス)が暴れてる」といった嘘に全員あっさりだまされるなど、高い知能を持つ故か、妙な部分で単純なところがある。終盤でボスによって首をはねられる(人形を並べて撮った)と、中からバイラスの分身が現れ、ボスに融合していった。正夫らに投げ縄で捉えられる男を演じたのは、映画「大魔神シリーズ」(1966年)で「大魔神」を演じた橋本力。

バイラス円盤の美術・造形
個性的なバイラス円盤のデザインは、バイラスと同じく間野重雄による。3尺サイズの精巧なミニチュアが制作された。この黒い縞の入った特徴的なバイラス円盤は「宇宙を支配しようとする者の象徴」として、「一点豪華主義」で予算をかけて作られ、評判もかなり良かったという。湯浅はあとで左翼系の組合員から「あれはアメリカ合衆国を表してるんでしょう」と勘繰られて嫌な思いをしたと語っている。

円盤が地上に着地するシーンがあるが、ミニチュアのバランスが非常に悪かったので、ピアノ線でミニチュアを吊りあげ、少し地面から浮かせて撮影している。「スーパーキャッチ光線」で出来る透明のドームはアクリル製の出来合いのものが使われ、省予算のために場面を変えて対人間、対ガメラなど、さまざまなシーンに流用された。正夫たちがサンドイッチを頼むシーンがあるが、このサンドイッチは、機内の多方形イメージと統一して八角形に切ってある。「脳波コントロール装置も「半球型で黄色と黒の縞模様」と、バイラス円盤とイメージを統一したデザインとなっている。

上述したように、本作の予算は徹底縮小されたため、円盤内部のセットは一つだけしか用意できなかった。劇中で「この円盤の中、何にも無いなあ」という正夫らの台詞があるが、これは予算不足で大道具を揃えられない現場の状況を逆手に取った演出だった。徹底した省予算のため、球体内部の照明を青や赤に変えることで、別の部屋に見せている。「研究室」ではレトルトや化石標本などあり合わせの小道具を並べていて、湯浅監督によると「科学への夢が一つになったもの」だそうである。

本編で主要なシーンを占めるこのバイラス円盤内部の描写は、このように予算不足から同じセットを使い回して、小道具の位置を変えるなどして別のセットに見せる工夫をとっているが、これは湯浅が師匠である衣笠貞之助の助監督を務めていた頃に、衣笠から教わった手法だったという。

船内では脳波イメージ装置により、食べ物など、欲しいと思ったものそのものが再現され自由に手に入るが、宇宙船に危害を与えるもの、たとえば爆弾などを求めると警報が鳴るようになっている。機内の回路は三角形で構成されており、この三角形ブロックで「+」と「-」を構成していて、正夫らはこのブロックを逆に入れ替えてガメラのコントロールを解いてみせる。湯浅監督は「これこそ高橋二三一流のレトリック」と評していて、子供にも分かりやすいこのブロックの入れ替えアイディアを「撮っていて一番楽しいところだった」と述懐している。

本作以降、ガメラ映画には主人公の少年と対になる白人の子役が必ず起用されているが、これは「日本人の子供の顔はみんな同じに見えるから」という、テレビ放映を前提としたアメリカのバイヤーからの条件だった。これらの外人子役は、調布市にあったアメリカンスクールの生徒から選ばれており、日本語を話せることが採用基準だったが、話せるはずで採用したのに全然駄目だったりと、苦労が多かった。ジムの母親役のメリー・ムロースもまったくの素人であり、台詞が下手で困らされたという。

本作の上映と同時期にデビューした「大映新人三人娘」の八重垣路子、渥美マリ、八代順子が、ボーイスカウト指導者役で揃って出演している。ボーイスカウトの隊長役の本郷功次郎は本作の制作当時も怪獣映画への出演が不本意で、本作に関しては「何で俺だけこんな冒険ダン吉みたいなショートパンツはいて、ボーイスカウトやれって言われるんだって、他の俳優さんが芸術的な映画に出てると思うと悔しくて夜寝られなかった」という。しかし、後年には「まさかこんなに時代に残るとは思わなかった。今では財産になってしまった。ガメラに出られたことを本当に感謝してますよ」と語っている。
なお、バイラス星人がガメラのデータを探るシーンでは過去3作の映像が流用されているが、『ガメラ対ギャオス』からの流用分には本郷の登場シーンが含まれているため、同じ作品で彼が別の役柄で二重出演することになってしまっている。

本作にはボーイスカウトが全面協力しており、エキストラのボーイスカウトは全員本物である。これは以前、湯浅監督がボーイスカウトのタイアップ映画『第四回日本ジャンボリー』を監督したことからのつながりである。

本作からオープニングに主題歌「ガメラマーチ」が登場。
これは、大映専務の永田秀雅が独自に「ガメラマーチ」を作詞。企画会議で朗読し、「みんな感激してたから曲をつけてくれ」と監督の湯浅に持ちかけ、劇中主題歌としたところが大ヒット。以後、シリーズ共通の主題歌として使われた。
歌唱している「大映児童合唱団」とは、湯浅によると「そこらへんの子供たちに歌ってもらったもの」だそうで、実際には存在しない団体である。

「ガメラマーチ」
歌:大映児童合唱団
作詞:永田秀雅
作編曲:広瀬健次郎
「ガメラマーチ」を主題歌、「ぼくらのガメラ」を副主題歌として、大映レコードレーベルで、朝日ソノラマからソノシートが発売された。
イラスト図解の他、声優を使った「大迫力ドラマ」が収録された。大映レコード発行のソノシートには、「ぼくらのガメラ」がA面になったものがあった。





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