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円谷英二的日本特撮映画史



ガメラ対大悪獣ギロン 
★★

1969年(昭44)3月21日公開/大映東京/82分
総天然色/大映スコープ
 
製作 永田秀雄 脚本 高橋二三  監督 湯浅憲明
撮影 喜多嶋晃 音楽 菊池俊輔  美術 井上章
 特撮監督 湯浅憲明  撮影 藤井和文 美術 矢野友久
合成撮影  金子友三  照明 石森七郎 - -
 音響効果 小島明  操演  金子芳夫  造形 エキスプロダクション
開米プロダクション
出演-船越英二・大村崑・加島信博・クリストファー・マーフィー・秋山みゆき・イーデス・ハンソン・笠原玲子・甲斐弘子

前作「ガメラ対バイラス」からちょうど1年後の公開。
同時上映は『東海道お化け道中』。

前作と同じように、日本人・白人の子供二人が主人公。

子供を助けるヒーロー怪獣になったガメラ。
監督の望んだ形となったのだろうが「お子様ランチ」映画となってしまった。
しかし、予算縮小の中「お子様映画」になったからこそ、この後2本も製作することが出来たのだろう。

お子様向け映画なのに、ギャオスの胴体を切断するギロンの残酷さが凄い。
血は出ないものの、気持ちよさも痛快さもない。

ただ一点、合成画面だけは相変わらず良く出来ている。

以下Wikiより転載

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監督の湯浅憲明による「子供を主役にした冒険映画」志向がさらに進んだ、ガメラが初めて宇宙の他天体を舞台に活躍する作品。
前作『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(1968年)より、新作ガメラ映画のアメリカでの公開は、土曜日の子供向けテレビ番組放送枠内での放映を前提とした契約となった。本作はそのアメリカテレフィーチャー用ガメラ映画第2弾である。「宇宙映画ブーム」となっていた当時のアメリカ興行側の要望に沿い、AIP映画が1950年代に量産した「怪獣惑星もの」、「キャンプ映画」の趣向が採り入れられた作劇となっている。脚本題名は『ガメラ対大悪獣X』。

前年の『メキシコシティオリンピック』にちなんで(予告編では「宇宙の果ての怪獣オリンピック!」とあおり文句が入る)、ガメラも鉄棒競技よろしく「月面飛び」などのウルトラC技を披露する(予告編では「あっと驚くウルトラG!」と表記)。ホリゾント前でのこのミニチュア撮影は、尺を伸ばすための工夫だった。ガメラがギロンの手裏剣を、岩で受け止めてかわすシーンは、同社の人気シリーズ『座頭市』そっくりである。

湯浅は前年の『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』で、本社の経営不振から予算を3分の1に縮減され、スタッフ一同「これが最後のガメラ映画だ」と、工夫と苦労を重ねてこれを完成させた。「まさか次回作があるとは誰も考えていなかった」という。しかし『対バイラス』は大ヒット。はたして湯浅の「またこの予算で、次回作を作らされるのではないか」との心配は的中し、翌年、この『ガメラ対大悪獣ギロン』が制作されることとなった。湯浅は「映画がヒットして困ったなと思ったのは、これが初めてだった」と語っている。また本社からは年2作のシリーズ制作を持ちかけられたが、さすがに準備進行に無理があり、湯浅はこれを断っている。

冒頭に使われる天体写真は、アメリカでのセールスの際の権利関係を考慮して、ソ連で撮られた写真を購入して使用している。日本では角川映画が版権を継承したが、米国では大映の倒産に伴う正当な版権継承者と認められなかったことからパブリックドメインとされた(他のいくつかの大映作品も同様)。


ガメラのヌイグルミは本作用に、エキスプロによって新造されたもので、『大怪獣ガメラ』、『対バルゴン』に引き続く、3代目に当たる。甲羅や頭が先代までより平たく、それまであった「肩」がタイル状の甲羅で覆われて無くなったのが一番の特徴である。

大悪獣ギロンは四つ足怪獣としては珍しく尻尾を持たず、公開当時の雑誌掲載イラストなどには誤って尻尾が描かれたものがあった。
劇中では刃物状の頭部を強調する演出が多用され、下半身は意図的に画面に映さないよう工夫されている。また、デザイン画では二足直立の怪獣として描かれており、映画の製作発表会での写真でも二足直立して、宇宙ギャオスを踏んでポーズをとっている。
2019年から複数ヶ所で開催された、撮影造形物等の展示会「特撮のDNA」では、公開された企画段階の絵コンテに、ギロンが直立したり、背びれを発射している場面があった。

ギロンのデザインは、前作まで怪獣デザインも担当していた美術の井上章が本作の制作に入る前に大阪万博の仕事で腰を痛めてしまったため、矢野友久が代わって担当したものを井上がまとめる形となっている。矢野は演技者が横向きに入る、湯浅によると「ヒラメのような怪獣」を考えていたが、演技の際の支障があって実現しなかった。井上はそれまで敵怪獣のデザインは「生物的にと念頭に置いてきた」とコメントしており、これと相反したような「生物」からかけ離れたギロンのデザインについては、「とにかく凄い怪獣にしようとスタッフで話し合い、全身を武器にとの発想が出てきて、刃物の頭に身体を着けたらギロンが出来た。もう生物じゃありませんよ、発想が武器から入っているから。だから目に見える武器を持っているのもギロンだけなんです」と語っている。井上はシリーズを振り返って、「一番好きな作品」として本作を挙げている。

ぬいぐるみは、シリーズで特殊造形を担当してきたエキスプロが韓国映画『大怪獣ヨンガリ』の怪獣造形にかかりきりだったため、開米プロによって造型された。小型の精巧な操演用ミニチュアも造られた。

名前は前作のバイラスに引き続き、講談社の『少年マガジン』、『週刊ぼくらマガジン』誌で公募された。ギロンが宇宙ギャオスを切り刻むシーンで、湯浅は切り刻んだその肉をかいだギロンが上げる「くせえ、くせえ」という鳴き声を、エフェクトをかけた音声で吐かせている。強敵であったはずのギャオスがあっさりとギロンに負けたこのシーンは、湯浅に「観客の子供達の不評を買った」と述懐されており、残虐描写に関しては「いまだに気が引ける」とも語られている。その後、鳴き声は1973年に大映スタジオで撮影されたテレビ特撮ドラマ『ファイヤーマン』(円谷プロ、日本テレビ)に登場した怪獣「スコラドン」に流用されている。

当初、平成ガメラシリーズ2作目の敵怪獣候補として名前が上がっていたが、不採用になった。しかし、宇宙怪獣、角が主な武器、無機物によって構成された体、などの特徴の多くは、マザーレギオンへ継承された。
他方、『ガメラ2』を監督した金子修介によれば、ガメラ2の対戦怪獣としてギロンの名前が挙がったのは事実ではあるものの、特技監督の樋口真嗣を交えてアイデアを出し合い、脚本を担当した伊藤和典が設定考証をした結果生まれたのがレギオンであり、ギロンがレギオンのモデルというわけではないと証言している。また伊藤も、宇宙怪獣の着想はギロンの影響があった可能性は述べているものの、ギロンがレギオンのモデルであると明言してはいない。

映画『パシフィック・リム』に登場する怪獣の1体・ナイフヘッドは、その名のとおり「頭部がナイフ状になっている怪獣」であり、ギロンの影響が指摘されている。

宇宙ギャオスのぬいぐるみは、『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967年)で2体作られた操演用ミニチュアの羽根を拡げたタイプと畳んだタイプのうち、前者を流用している。湯浅によると、「倉庫にギャオスのぬいぐるみが残っていたので、銀色に塗り直して使った」そうである。小型の操演用ミニチュアも塗り直されて使用されている。

第十番惑星は湯浅によると、コントロールセンターのセットは低予算を受け、ビニールチューブや安い素材のものを探してきて作ったもので、本編だけでなくこういったセットにも低予算ならではの趣向や工夫を凝らしたという。
バーベラたちのコスチュームは、後年のテレビ作品『サンダーマスク』に流用されている。

当初は主演の明夫役に金子吉延が予定されていたが、多忙で中学校を留年しかけていたため、学業を優先して見送られた(金子は「泣く泣く断った」と語っている)。また、『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』で純真な娘役だった笠原玲子が、本作では一転して目張りの濃いメイクを施し、残酷な悪役宇宙人であるフローベラ役を演じている。

コメディリリーフである近藤巡査役の大村崑は、役名から劇中でも「コンちゃん」と呼ばれている。湯浅によると、大村は子供好きで、ガメラを観に来た子供たちの印象に残る演技をしようと一生懸命だったという。エルガ役のイーデス・ハンソンは、アメリカ輸出用に湯浅が「英語でしゃべってください」と指示を出すと、「間違った英語はしゃべれないから」と、監督を待たせて台詞を熟考していたという。

湯浅は、大村もハンソンも「怪獣映画に出る場合は、よっぽど頑張らないとただの怪獣の説明役、引き立て役に終わってしまうということがよくわかっていたのだろう」と語っている。湯浅はガメラ映画を撮るときは必ず特撮部分から撮入したといい、「特撮部分でどうしても説明しきれない部分を人間ドラマで補う」というつもりで作っていたと語っている。

志賀博士役の船越英二は自分の俳優業を息子の英一郎には隠していたが、彼が小学校に入る前には本作で明かそうと映画館へ連れて行った。そのため、英一郎は静かな館内で画面内の英二の姿に思わず「お父さん!」と叫び、周囲から注目を浴びてしまったという。

この作品から若手の仲野和正がメインプロデューサーとなり、「第十番惑星」のアイディアなどが盛り込まれ、宇宙的指向が強い作品となった。宇宙を舞台にした話作りに関しては、高橋二三は「物語として間口を広げようと思った」とコメントしている。




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