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円谷英二的日本特撮映画史



ゴジラvsキングギドラ
 
1991年12月14日公開/東宝/103分
カラー/ビスタ
 
製作 田中友幸 脚本 大森一樹  監督 大森一樹
撮影 関口芳則 音楽 伊福部昭  美術 坂井賢
 特技監督 川北紘一  撮影 江口憲一
大根田敏光
美術 大澤哲三
特殊効果  渡辺忠昭  操演  松本光司 助監督 鈴木健二
出演-豊原功補・小高恵美・中川安奈・小林昭二・土屋嘉男・佐々木勝彦・原田貴和子・チャック・ウィルソン・西岡徳馬・上田耕一


「ゴジラvsビオランテ」から2年後の公開。
前作の約2倍、15億の制作費を投入したが、配給収入は14億で赤字となったようだ。
しかし出来は前作を凌ぐ。

キングギドラがやはり圧倒的な存在感を誇示。
ヤマタノオロチや龍をモチーフにしたその造形美。3つの首から盲滅法に光線を吐く無作法さ。
円谷英二の命令で、撮入直前に体毛を金色に塗り直したとされるその色彩感覚。
ゴジラが負けても納得させられる、最強の怪獣。

ストーリーは、「バックトゥザフューチャー」と「ターミネーター2」の良いとこ取りしたような構成だが、
もはやそれを確信犯として見れば面白く見られる。

キングギドラとゴジラが左右に対峙して、伊福部昭の音楽が流れて・・・。
ノスタルジックさを通り越して、やはり円谷特撮はいかに偉大であったかを痛感させられる。

土屋嘉男・伊福部昭・小林昭二・佐原健二・黒部進などの往年の特撮モノに対するオマージュもたっぷり。
ラストカットはちょっと長かったが・・・。

円谷英二も、草葉の陰で泣いているだろうと思われる。

以下Wikiより転載

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『ゴジラvsキングギドラ』はゴジラシリーズの第18作。上映時間103分、カラー、ビスタビジョン(パナビジョン)、ドルビーステレオ。観客動員数は約270万人、配給収入は14億5000万円(1992年邦画配収第8位)を記録した。
キャッチコピーは「世紀末・最大の戦いが始まった。[6]」「お前だけには絶対負けない!」「12・14決戦!」。

物語は、タイムトラベルを経てゴジラ誕生の歴史を変えようとするなど、ゴジラシリーズの中でも意外性に満ちている。また、ゴジラが放射能を浴びて怪獣化する前の「ゴジラザウルス」という恐竜も登場するなど、ゴジラ誕生の秘密が明らかになっている。監督・脚本の大森一樹は、怪獣もの・空想科学もの・戦記ものなど東宝特撮映画の集大成と自負している。

ゴジラとキングギドラの対決は、1972年公開のシリーズ第12作『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』以来19年ぶりとなり、1対1の対決はシリーズで本作のみである。改題再上映版ではないオリジナル作品のタイトルとして、初めて「キングギドラ」が冠されている。本作で、ゴジラは前作の身長80メートルから100メートルに巨大化した。また、キングギドラも昭和シリーズでの宇宙怪獣から未来人によって生み出された怪獣に改められている。

本作は東宝特撮で初めてタイムトラベルが物語の鍵となっていることが最大の特色であるが、タイムパラドックスが目立っており、その点において批判もある。本作はこのほかにも、「人間そっくりのアンドロイド」(『ターミネーター』)や「クライマックスにロボットで戦うヒロイン」(『エイリアン2』)、「「スピルバーグ少佐」なる人物の登場」など、ハリウッドのSF映画から影響を受けた場面も散見される。

本作品以降、怪獣による日本縦断が恒例となり、襲撃される各地の地元メディアと連携してエキストラ撮影を行い、ミニチュアセットでも怪獣に壊される看板などでタイアップを取るなどしている。地元メディアが撮影を報じるほか、エキストラ自身が劇場へ足を運ぶようになるため宣伝効果は大きく、特技監督の川北紘一は前作でシリーズの方向性が定まり、本作品ではビジネスモデルが確立したと述べている。

スタッフ
前作に引き続き脚本と監督には大森一樹が起用され、特技監督は川北紘一が務めた。田中友幸も引き続き製作としてクレジットされているが、体調面の問題から実務はプロデューサーの富山省吾に重きが置かれていった。

前々作、前作ではシリーズ刷新の意味合いも込めて当時の人気作曲家が音楽を担当したが、「やはり最も有名なテーマを超えるものを造るのは難しいので、やってもらおう」という意向から、本作では『メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに音楽を伊福部昭が担当した。ゴジラのテーマ曲が前面に押し出されたほか、キングギドラのテーマ曲や『宇宙大戦争』『キングコング対ゴジラ』『怪獣総進撃』で用いられた旋律が伊福部自らによる編曲を経て再び用いられている。例外的に、戦闘機がキングギドラを追撃するシーンで、前作同様にアルバム『OSTINATO』から「ラドン追撃せよ」が流用されたが、これは監督の意図が自衛隊主体のシーンだったのに対して伊福部がギドラの主題を用意していたため、新たに作曲し直す時間がなかったことによる。また、伊福部は引き受ける条件として当時すでに廃れていた「撮影所でフィルムを上映しながら録音する」という方法を要望し、大型ステージを貸しきってオーケストラの録音を再度実行するという、非常に手間のかかるレコーディング作業が行われた。

前作で実質的にゴジラの造型作業を担当した小林知己は、本作品で初めて正式にクレジットされた。

配役
ヒロインの中川安奈を筆頭に、主要メンバーには前作でサブキャストだった豊原功補と佐々木勝彦に原田貴和子と前作に引き続き三枝未希の小高恵美が固める。悪役の未来人及びアンドロイドをチャック・ウィルソン、リチャード・バーガー、ロバート・スコット・フィールドら外国人が担当。それらにシリーズ初参加の西岡徳馬と『ウルトラマン』のムラマツ・キャップ役、「仮面ライダーシリーズ」の立花藤兵衛役などテレビ特撮で著名な小林昭二が、ゴジラシリーズに初出演した。そして東宝特撮映画の顔である土屋嘉男が『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』以来21年ぶり(ゴジラシリーズでは『怪獣総進撃』以来23年ぶり)に、佐原健二が『メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに出演している。

東宝特撮のファンであった富山や大森は土屋の出演に喜んだが、旧来の東宝特撮のイメージを一新しようと意識から田中や東宝上層部は難色を示していたという。
『ノストラダムスの大予言』以来17年ぶりに山村聰が首相役を演じている。常連の上田耕一は軍人時代に恐竜を目撃した居酒屋の親父役を、その他、東宝特撮映画への出演は『続・人間革命』以来15年ぶりとなる黒部進をはじめ、時任三郎、ケント・ギルバート、ダニエル・カール、ゴジラファンの森末慎二や風見しんごが主要部分でゲスト出演している。

制作経緯
前作『ゴジラvsビオランテ』の成績が伸び悩んだことから、当初はモスラをメインに据えた『モスラVSバガン』が企画された。しかし、東宝上層部はゴジラのほうが好成績を期待できると判断し、昭和ゴジラシリーズの人気怪獣で子供たちへのアンケートで最もリクエストが多かったキングギドラが登場することとなった。
敵を未来人ではなく宇宙人とする案も存在したが、プロデューサーの富山省吾はリアリティに欠けるとの判断から未来人になったと証言している。大森は、未来人の演出は『地球防衛軍』のミステリアンをイメージしたと述べている。

大森は、前作の時点でゴジラへの思いは出し切ったと考えていたため、当初は続編のオファーに困惑し、新たにできることを考えた結果、ゴジラ誕生の秘密を描くことを思い立ったという。また、DVDの大森のコメントによれば、23世紀の日本の増長や一企業の原子力潜水艦の所有などは、当時バブル経済真っ只中の日本がどこまで肥大化するかわからないことに対する不安と警鐘の意味合いがあったという。

大森によれば、タイムトラベルの要素は、前作公開時に田中友幸が隣の劇場で上映されていた『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の方が客入りが良いことを指摘していたことから発想したものであるという。過去には東宝プロデューサーの田中文雄がタイムトラベルものの企画を出していたが、田中友幸はタイムトラベルものはSFではないという信念からこれを突っぱねており、田中文雄は本作品の企画が通ったのは田中友幸が弱っていたからではないかと述べていたことを大森が証言している。
なお、プロットでの仮タイトルは『キングギドラVSゴジラ(仮題)』とされており、脚本内のタイトルコール箇所では『ゴジラ3』と表記されていた。

撮影
撮影では、70mmフィルムによる移動マスク合成とハイビジョン合成を使用している。
特撮ではミニチュア・フル・セットではなく、各シーンや各セットでの切り替えに合わせたミニチュア・セットとなった。第9スタジオで新宿副都心、福岡市街、札幌、綱走原野のセット、第7ステージで海底、本編のMOTHER内部の撮影をそれぞれ行い、厚みを増す撮影となった。

特撮班は1991年5月10日にクランクイン。同日から12日にかけて福岡・瀬戸大橋・札幌での特撮用実景ロケーション撮影が行われた。前作では、特撮班は途中から2班体制となったが、本作品では班分けは行われず、細かい撮影は助監督が行うに留まった。

5月16日から20日には、第9ステージでの新宿セットの設営期間を利用して、東宝スタジオのオープンセットおよび大プールでゴジラザウルスが登場するラゴス島のシーンが撮影された。東宝スタジオの造園スペースをジャングルに見立てた撮影は、過去にも広島博覧会のイベント映像撮影で行われており、本作品での撮影はその時のノウハウを用いて当初から予定されていた。

5月24日から6月4日にかけては、第9ステージの新宿新都心セットで撮影が行われた。撮影用カメラが3台使用され、撮影当時に完成したばかりの東京都庁を舞台とする戦闘を展開して破壊し、造られた都庁ミニチュアは完成に1か月を要したうえにその高さは5メートルを超えたため、東宝特撮史上最高の石膏ビルとして大きな話題となった。このミニチュアは、自重で倒壊するのを防ぐため、90センチメートルごとのパーツを組み上げており、内部には鉄骨を仕込んでいる。

しかし、撮影半ばの6月3日、メカキングギドラがゴジラに飛びかかり都庁舎へ突っ込むというシーンの撮影で、準備中にゴジラとメカキングギドラを吊っていたワイヤーが切れてしまい、スーツ2体が都庁舎のミニチュアに衝突し損壊するというアクシデントが発生した。美術の大澤哲三は、復旧には数日かかると考えたが、特技監督の川北紘一は翌日までに修復することを指示し、都庁舎の破損箇所には型紙とスプレーを用いて窓状の柄を描いた石膏ボードを貼り付けるという手法で、一晩での修復を実現した。

6月8日から11日には第9ステージでゴジラの札幌大通り出現シーンの撮影、6月13日・14日には第7ステージでキングギドラの福岡出現シーンの撮影が行われた。予算の都合でキングギドラの引力光線でビルが爆散するシーンの一部は石膏板に引き伸ばしたビルの写真を貼ったものを爆破しているが、件のカットは映画のヒット後に新たに作られたテレビの宣伝でもオンエアされた。

7月4日から18日には、第9ステージで網走でのゴジラとキングギドラの対決シーンが撮影された。

7月12日から17日には、オープンセットや大プールでメカキングギドラの飛行シーンが撮影された。大プールで行われたクライマックスの海上シーンは、水量不足により上から見下ろす構図が中心となった。

7月18日から20日には第7ステージでMOTHER格納庫の撮影、7月24日・25日には第9ステージで深海のシーンが撮影された。クランクアップは8月2日。

避難する住民のシーンに、一部過去の作品の映像が流用され組み込まれている。
キングギドラが福岡を攻撃し、避難するシーン - 1989年公開の『ゴジラvsビオランテ』でゴジラが大阪を襲う可能性が高まり避難するシーンの一部。ゴジラが札幌を襲う可能性が高まり避難するシーン - 1984年公開の『ゴジラ』でソ連の衛星から誤って核ミサイルが新宿へ向けて発射されたため地下へ避難するシーンの一部。
キングギドラが中京の石油コンビナートを破壊するシーン - 『東京湾炎上』の流用[109]。該当シーンはもともと絵コンテに存在しなかったが、絵コンテにはゴジラが東京湾に上陸して、コンビナートを破壊するシーンが存在する(こちらは撮影されていない)。

受賞
第15回日本アカデミー賞 特殊技術賞(特別賞):川北紘一
第11回藤本賞 藤本賞:田中友幸「ゴジラ」他製作
第10回ゴールデングロス賞 日本映画部門:優秀銀賞

予想以上のヒットを受けて、公開後にも新たな宣伝が行われ、前述のテレビのキングギドラの都市破壊シーンをメインにしたCMの他に、寺沢とエミーが銃を構える、怪獣映画には珍しい人間がメインのアクション映画風の広告(モノクロ)も新聞に掲載された。
写真ポスターのゴジラとキングギドラの瞳は色が暗かったので描き加えられている。もともとはゴジラの生物感を出すために前作から引き続いて、白目が分かりにくくなっていたが、それがきっかけとなり次作以降のゴジラは虹彩が明るく、瞳が分かりやすいように造形されるようになった。
本作のラゴス島での米軍描写について米国の退役軍人団体等からクレームがついたほか、ゴジラ誕生の理由をアメリカの水爆実験と明言している点、さらに当時貿易摩擦で悪化していた対日感情からアメリカの配給会社も難色を示し、劇場公開されないどころか英語版すら製作されなかった。本作が米国で公開・ソフト化されたのは1998年になってからである。




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