宇宙大怪獣ドゴラ ★★ 1964年(昭39)8月11日公開/東宝/81分/ 総天然色/東宝スコープ |
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製作 | 田中友幸 田実泰良 |
脚本 | 関沢新一 | 監督 | 本多猪四郎 | |||
撮影 | 小泉一 | 音楽 | 伊福部昭 | 美術 | 北猛夫 | |||
特技監督 | 円谷英二 | 撮影 | 有川貞昌 富岡素敬 |
美術 | 渡辺明 | |||
合成 | 向山宏 | 照明 | 岸田九一郎 | 光学撮影 | 真野田幸男 徳政義行 |
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製作担当者 | 小池忠司 | 工学作画 | 飯塚定雄 | 監督助手 | 中野昭慶 | |||
出演-夏木陽介・藤山陽子・小泉博・中村伸郎・若林映子・河津清三郎・ダンユマ・藤田進・田崎潤・田島義文・天本英世 |
「モスラ対ゴジラ」から4ヶ月後の公開。宇宙モノは、2年前の3月に公開された「妖星ゴラス」以来。 なかなかドゴラの正体が分かりづらいが、宝石と石炭好きなのは分かる。 宝石好きの設定は、本編部分の外事課とギャング団、そして国際宝石協会の外国人を絡めるための物だろう。 東宝特撮映画で初めて、外国陣俳優が主要キャストとして登場ている。 また怪獣モノとしては、夏木陽介が初めての主演をしている。 逆転撮影のオンパレードで、ドゴラ自体は光学作画と造形で表現されている。 以下Wikiより転載 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------- 従来の怪獣映画とは異なる不定形の宇宙怪獣の表現に挑んだ意欲作。1962年に『スペース・モンス』の題で検討用台本が書かれたが、製作の決定は1964年に入ってからであった。脚本では怪獣名は決まっておらず、『地球戒厳令』『宇宙大怪獣(スペースモンスター)』などの仮題が決定稿まで用いられていた。 物語面でも、従来の人間対怪獣の構図に並行して宝石強盗団とそれを追うダイヤGメンや刑事との攻防が描かれ、娯楽性を高めている。アクションシーンなど、当時大流行していた「007シリーズ」の影響が見られる。 大変な工夫と苦労を重ねて撮影に挑んだドゴラであるが、後述の理由により姿が不明瞭な怪獣とならざるを得ず、人間アクションに重点を置いている理由にはこのような面もあった。 本作は、五市合併と政令指定都市化間もない北九州市を舞台の1つとしており、当時の北九州市のランドマークがいくつも映画に登場する。ドゴラに破壊される「東洋一の吊り橋」若戸大橋や皿倉山の展望台などがそうであるが、中でも物語に大きく関わる筑豊炭田の石炭積出港としての若松港の情景は、本作の公開後に急速なエネルギー転換が進み、過去のものとなっていく筑豊産炭地区に関する貴重な記録の1つとなっている。 本作の最も特徴的なシーンとして、ドゴラがエネルギーとして求めている炭素を大量に含んだ石炭が、空中に渦を巻いて巻き上がるシーンがある。この映像の石炭は、天井に吊るした一斗缶の中に入った、黒く着色した砂を回転させながら落下させて再現させている。しかし、当時のカメラでは高速度での逆回転撮影が不可能だったため、撮影に使用したカメラを逆さまにして正回転撮影をした。 一方、石炭の渦に巻き込まれて一緒に空中に舞い上がっていく鉄塔や煙突は操演で行っており、本編終盤で舞い上がるトロッコは上述の砂と一緒に落下させ、それを逆再生させている。 「宇宙大怪獣ドゴラ」は本作の公開3年前に、『週刊少年サンデー』(小学館)での怪獣絵物語用に小松崎茂がデザインした怪物のイラストを立体化したものである。デザインモデルには、原生生物が参考にされている。撮影用のミニチュアは、素材探しから始まって撮影手法に到るまで、試行錯誤の繰り返される大変手間のかかったものとなった。 東宝特殊美術スタッフの村瀬継蔵はドゴラのデザインを見て、まだ開発段階であまり市場に出ていなかったソフトビニールの素材使用を思いつき、コニシの研究所に連日通っての練成実験で強度に目処がつくと、今度は千葉にあったソフビの貯金箱の工場を訪ね、雌型の制作を依頼した。この雌型には当時で20万円かかる非常に高価なものだったが、村瀬が特技監督の円谷に相談すると、「いいよ」と二つ返事で承諾してもらえたという。 つぎに、1尺ほどのドゴラの粘土原型が八木勘寿により作られて先述の工場でソフビに焼かれ、ついにドゴラのミニチュアは完成した。しかし、通常の吊り操演では破れる危険性が生じたため、村瀬はこれを水槽に沈めてテグスで操る手法を思い付いた。円谷にこれを実演して見せたところ、「とうとう成功したな!」と大喜びされたという。 こうして撮影が始められ、この軟らかい素材のミニチュアを水槽の中にテグスで吊り下げ、水槽下部にすえつけたバルブからの水流でフワフワとした宙を舞う不安定な「宇宙大怪獣」が表現されることとなった。しかし、この手法ではどうしても細かい泡が発生し、 画面に映り込んでしまう。また、中野昭慶によると、水道局の毎週のカルキ投入日には水道水が白く濁ってしまうため、水槽の水を透明に保つのに苦労してあまり特撮カットが稼げなかったという。 単細胞状態のドゴラは、有機ガラスをガラスに挟んで表現され、実景と合成された。結晶状態のドゴラは、塩化ビニールを熱加工して貼り合わせた15センチメートルほどのミニチュアに電球を仕込み、ピアノ線から電流を送って発光させた。 ドゴラの鳴き声は、アサリの呼吸音をピックアップマイクで拾って加工したものとして、公開時に大いに喧伝された。この声は、翌年の公開『怪獣大戦争』の劇中に登場する警報機「レディーガード」の効果音と混ぜ、円谷特技プロ制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマン』(1966年、TBS)でバルタン星人の登場効果音に流用された。 落下して潰れる密輸団の自動車やダイヤ輸送トラックのミニチュアは、郡司模型製作所に外注された、ブリキの叩き出しによる金属製のミニチュアが使われ、金属ミニチュアならではのリアルなクラッシュ表現に成功している。 |
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